「悪いところを直したい」という「向上心」は
誰にでもあるものです。
でもこの「向上心」には「隠れた落とし穴」が
開いていたりするのです。
人は「何らかのキッカケ」により
「自分を変えよう」と思います。
そしてそのキッカケの多くは、
辛さや悲しみなど「不都合さ」を嫌だと感じたり
反省したりする時がほとんどではないでしょうか。
つまり「良くなりたい」と思うわけです。
こうして「良くなるように自分を変えたい」と思うとき、
一番重要となってくるのは、
「良くなる」とは、具体的にどういう状態でしょう?
…ということなのです。
この部分の考え方によって、結果が大きく違ってしまいます。
子供の頃。
算数で「正(+・プラス)と負(-・マイナス)」
について習いましたよね?
物差しのような横直線上にメモリがあって
「ゼロを軸に右に進めば+・プラス、左に進めば-・マイナス」
というふうに教えられた記憶があります。
自分の価値観を、この+・プラス、-・マイナスに当てはめて
考えてみると、思わぬ発見と落とし穴に気がついたりします。
とは言え、簡単なことなんですケドね(笑)。
例えば仮に、
-・マイナスを「ダメな部分」、+・プラスを「良い部分」だとします。
で、この-・マイナスの「ダメな部分」を除去できたとします。
確かに、「ダメな部分」はなくなりましたが…。
今の自分がゼロポイントのままだと、
「だからと言ってプラスになっているわけでもない」
ということです。
「より良い自分」になっていくためには、
「今の自分の場所=ゼロポイント」から+・プラス方向に移動する作業、
つまり行動が必要です。
この行動こそが「変える努力」となります。
これは天秤で考えても良いですね。
例えば左のお皿は良い自分、右のお皿はダメな自分として。
今、この天秤にはおもりが乗っていて、
釣り合いがとれているとします。
では、右の「ダメお皿」からおもりを取り除いた場合、
天秤はどうなるか?
当たり前ですが、左に傾きます。
これを心の動きに置き換えて考えてみると、
(悪いところを改善すれば)左に傾く=良い方に傾くという
錯覚を感じるということが分かると思います。
実際、「ダメお皿」のおもりは減りました。
だから天秤は傾いた。
しかし。
良いお皿のおもりの数が増えたわけではないのです。
こういった錯覚があるがゆえに、
私達は勘違いし続けるのかもしれません。
つまり。
「悪いところばかりに注視しすぎると、
本来の部分(本来の目的)からズレてしまうかもしれない」
ということなんです。
本当に「悪かった」と心から反省するような部分については
当然、改善も必要でしょう。
ただ基本は「ダメな部分を変える」というよりも
「より良い自分になっていく」という感じの方が、
よほど理にかなった努力であり、結果も出やすくなるでしょう。
あなたは「より良い自分」へ進化していってくださいネ☆